コロニアルパイプラインがサイバー攻撃で支払った身代金をFBI連邦捜査局が逆ハッキングで奪還しました。
7日月曜日、米司法省モナコ副長官は「ダークサイドと形勢が逆転しました。」と会見で語りました。アメリカ最大級のパイプラインのコロニアルパイプラインは、5月中旬に、ロシアのハッカー集団「ダークサイド」からサイバー攻撃を受け、6日間操業を停止。その影響でガソリンを確保しようと人々がガソリンスタンドに殺到し、ガソリン不足を引き起こしました。
コロニアルは、サイバー攻撃を解除するため、ハッカー集団に430万ドルの身代金を支払いました。コロニアルのCEOは「犯罪者に身代金を払いたくなかったですが、国民の生活に関わります。支払いは国のために正しい判断でした。」と語っています。
7日月曜日、司法省は、ハッカー集団の ビットコイン ウォレットをハッキングし、コロニアルが支払った身代の半分以上にあたる230万ドルを奪還したと発表しました。 FBI連邦捜査局のアバーテ副局長は「きょう、被害額の一部をサイバー犯罪集団から取り返しました。」と会見で語りました。
コロニアルが被害にあったような身代金を要求するコンピューターウイルス「ランサムウエア」によるサイバー攻撃は、増加しています。先週、食肉加工大手JBSがロシア系とみられるハッカー集団からランサムウエアによる攻撃を受け、操業を一時停止。1100万ドルの身代金を支払ったと、9日水曜日に発表しました。また、ニューヨーク市の地下鉄を運営するMTAが4月に中国政府が関与したとみられるサイバー攻撃を受けていたことが、先週、明らかになりました。
バイデン政権は、企業などに対し、セキュリティー対策を強化するよう求めました。会見で米司法省モナコ副長官は「今すぐ警戒し、対策に投資してください。安全でいられるのか被害者になるのかが変わってきます。」
企業などへのハッキングが急激に増える中、FBIが身代金回収に成功したことは、概ね好意的に報道されている一方、仮想通貨、ビットコインの安全性が揺らいだとの声も出ています。