ワクチン接種が進んでいない州で、感染者数が増加しており、インドで確認された変異ウイルス 「デルタ株」の感染拡大が懸念されています。
バイデン政権は、来月4日の独立記念日までに、少なくとも1回目の接種を済ませた人が成人人口の70%以上になることを目標にしてきました。しかし、24日木曜日の段階で65.7%となっており、70%に到達するには、まだ数週間はかかると見られています。29歳以下の成人では、38%にとどまっています。
20日日曜日、ニューヨーク市のマディソンスクエアガーデンでは、15カ月ぶりに収容率100%でコンサートが行われました。観客にはワクチン接種完了の証明が求められ、マスク着用やソーシャルディスタンシングはなく、客席は満員となりました。ニューヨークでは 23日水曜日の陽性率が0.3%で規制緩和後も低い値を維持しています。
一方、ワクチン接種率が全米の平均以下に止まっている5つの州では、2週間前と比べ、新規感染者数が増加しています。アーカンソー州では74%増加しました。 ミズーリ州では46.5%増加。新規感染者の90%が、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に感染していたと報告されています。ミズーリ州のコックスヘルス病院長は「若者で症状の重い感染患者が多いです。患者は病状が悪化してから来院するため、できる治療が限られます。」と語りました。
感染力が強く、重症化しやすいとされるデルタ株が、現在、全米での新規感染者の20%を占めています。48州で確認されており、いくつかの州では感染者の約50%を占めています。1カ月以内に、デルタ株がアメリカでの主要な感染ウイルスになると予測されています。
ネバダ州では幼稚園での「デルタ株」のクラスターが報告されていて、専門家はワクチン接種が減ってきていることについて、このままだとこの冬に再び感染が蔓延し、まだワクチン接種を受けていない幼い子供の感染率が一気に増加する可能性があると語っています。
一方CDCはワクチンのブースター接種をする必要性について、今はまだ必要ないという見解を示しました。