コロナ禍で家賃未払いの人を救済するために政府が設けていた、立ち退き猶予措置が、7月いっぱいで期限を迎えましたが、CDC疾病対策センターは措置を延長すると発表しました。
ある調査によると現在、家賃を滞納している人は、全米で1500万人に上ると試算されています。2日月曜日、ロードアイランド州在住のこの男性は、3週間後に立ち退くよう裁判所から通知を受けました。通知を受け取った男性は「どうしていいのかわかりません。フルタイムで働いていますがどうにもできません。何も救済がありません。」と語りました。
議会では、すでに借り手や家主に向け470億ドルの家賃支援を承認していますが、支給されたのは30億ドルにとどまっています。ニューヨーク州では27億ドルを家賃支援に確保していますが、ほとんどがまだ支給されていません。
対応が急がれていた中、3日火曜日、CDCは感染防止対策として、立退き猶予措置を10月3日まで2カ月間 延長すると発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な地域に限るとしており、人口の91%が対象となります。CDCのワレンスキー所長、は立ち退き猶予は人々が自宅に留まり、感染が広がる 密な場所を避けるために必要な措置だとしました。
去年の9月から立ち退き猶予期間の延長は4回行われてきており、すでに最高裁で、CDCが議会下院の承認なしに期間延長を行う権限はないという判決が出ています。今回も裁判に持ち込まれることは必至で、その場合勝ち目はないと見られていますが、バイデン大統領は家賃支援の予算が人々に届くまでの時間稼ぎになると発言しています。