15日日曜日、アフガニスタンの首都カブールをタリバンが占拠し、アフガニスタン政権が事実上崩壊しました。首都カブールの国際空港には、出国を試みる人たちが殺到し混乱が生じ、アメリカ人の国外退避にも遅れがでています。
アメリカ政府は、現地に住むアメリカ人とアメリカ軍に協力してきたアフガニスタン人を国外退避させるために、現地にアメリカ軍部隊5200人を配備していますが、混乱から作業は遅れています。アメリカ軍は、1日9000人を国外に退避させることが可能だとしていましたが、実際は1日2000人にとどまっています。アメリカ軍は、14日土曜日から19日木曜日の朝までに7000人を退避させたということですが、1万人以上のアメリカ人と8万人の現地関係者が出国を望んでいます。
押し寄せる人々を制御しようとタリバンが発砲し、さらなる混乱が生じています。タリバン司令部から取材許可を得て現地を取材していたABCニュースの記者も車内に戻るよう強制されました。ABCニュース記者「私たちは外国人で装甲車でここから出られます。出国を懇願する人々が空港の米軍側に行くには、許可を持っていてもタリバンを通過しなくてはなりません。」空港に向かうにはタリバンの検問を通過する必要があり、タリバンは外国人のみ通過を認めています。しかし、混乱は激しくアメリカ政府は、現地のアメリカ人に対しても「空港までの安全は保障できない」と 電子メールを送っています。
16日月曜日、バイデン大統領は、アメリカ軍の撤退について方針に変わりはないと強調しました。バイデン大統領「アメリカの焦点はテロ対策であり、内乱の鎮圧や建国ではないと何年も議論してきました。撤退の判断を固持します。」
アフガニスタンからのアメリカ軍撤退については、去年トランプ大統領がタリバンと2021年5月までにと合意しており、超党派の支持を得ています。しかし、タリバンが予想をはるかに上回る速さで全土を制圧し、多くの出国希望者が取り残され大混乱に陥っている事態に、撤退の方法や読みの甘さが指摘され、民主共和両党から政権への批判が高まっています。