アメリカでの新型コロナウイルスの感染による死亡者数は、18万4000人を超えました。アメリカ全体での感染は、減少傾向にありますが、子供への感染拡大が懸念されています。そうした中、ニューヨーク市は新学期開始を遅らせると発表しました。
8月だけで感染による死亡者は3万人以上となり、4月、5月に続いて多い月となりました。また、新たな調査によると、一般の感染者数増加の割合に比べ、夏の間に子供の感染者が急増していることが分かりました。原因は明らかになっていません。国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「学校再開は地域の感染率が下がってからが望ましい」と語っています。
ニューヨーク市では、感染率が1%以下と低い水準を保っていますが、市の教職員組合の要求に応じる形で、今月10日に予定されていた新学期開始を21日に延期しました。教職員組合は、対面式授業の再開は安全でないとし、訴訟やストライキも辞さない構えでいました。ニューヨーク市教育長官は「全ての教職員が学校再開にもっと時間が必要だと話しています」と会見で語りました。教職員組織は、学校内での安全対策に加え、校内に入る全ての人への感染検査を求めていましたが、最終的には毎月1割から2割の生徒や教職員に任意で検査を行うことで合意しました。連邦政府は、学校再開を進める全米の州に合計1億5000万回分の抗原検査キットを送付するとしています。全米の最大の学区であるニューヨーク市はアメリカの主要都市で唯一対面式授業の再開を予定しています。
一方、すでに各地で再開されている大学では、感染拡大が続いています。オハイオ州立大学では、学校再開後1週間でおよそ500人の感染者がでています。きのう、発表された州全体の新規感染者数は1400人で、6月以降、最多となりました。アリゾナ州立大学では、生徒800人以上に感染が確認されています。