電子たばこメーカーのジュールが、未成年をターゲットにしていたとされるマーケティング手法についての裁判で巨額の和解金に合意。今後は宣伝などのマーケティングには厳しい規制がしかれることになります。
6日火曜日、電子たばこメーカー、ジュール・ラブズは広告を出していた34の州と地域に対し、約4億3900万ドルを支払うことで和解しました。
2年にわたる捜査報告によると、ジュールは、未成年者への電子たばこの販売は違法であるにもかかわらず、意図的に若者をターゲットにしたマーケティングを展開していたとしています。無料サンプルを配り、若い人気タレントを起用し、ソーシャルメディアへの投稿などで未成年者を誘引していたということです。また、マンゴーやミントのような未成年者に人気なフレーバーを販売していました。2019年の調査では500万人以上の若者が過去30日間で電子たばこを吸ってみたと答えていて、その前年の360万人から大幅に増えています。
和解後の会見でウィリアム・トングコネティカット州法務長官は「これで若者が電子たばこから離れ問題が解決するとは思わないが、一時は最大手だった会社から巨額の和解金を勝ち取った。」と語りました。ジュール側は非を認めておらず、今回の合意は、成人の喫煙人口に対し電子たばこへの移行を勧めるジュールの営業方針にあてはまっているとしています。
和解の条件には、今後ジュールが宣伝にアニメーションを用いることと、商品を映画などのメディアで使用するプロダクトプレイスメントを禁止。また、宣伝に35歳以下の人物を起用することも禁止しています。
未成年者は電子たばこの使用はアメリカで社会問題となっています。FDA食品医薬品局は今年6月、ニコチンを含むジュール製品の販売停止を命じましたがジュール側が上訴し現在も法廷闘争が続いています。