テキサス州で先週から今週にかけて全米で物議を醸す2つの法改正が行われました。
7日火曜日、アボットテキサス州知事は、全米で最も厳しく投票を制限する州法に署名しました。これにより、主にマイノリティーによる利用が多かったドライブスルーによる投票や24時間の投票所」などが禁止されることになります。その他、有権者からの請求なしに郵便投票用紙を送付することもできなくなります。
また、テキサス州では、今月1日に人工妊娠中絶を事実上禁止する法律が施行されました。この州法は、ほとんどの女性が妊娠に気づかない妊娠6週目以降の人工妊娠中絶を禁止するもので、レイプ被害や近親相姦による妊娠も例外としない、全米で最も厳しい内容となっています。 レイプ被害者を例外としない理由についてアボット知事は「テキサスでは全てのレイピストを排除するために尽力します。積極的に取り締まることでテキサス州ではレイプを撲滅し、レイプによる被害者をなくします。」と語りました。しかし、アボット知事はレイプ犯罪撲滅のための新たな対策を示しておらず、民主党や人工妊娠中絶を支持する人権団体などからは、非難の声が殺到しています。
アメリカでは人工妊娠中絶が女性の権利として認められています。しかし、今回施行されたテキサス州の法律は、人工妊娠中絶に関係した全ての人に対し最低1万ドルを求めて訴える権利を州の住民に与えるもので、医師だけではなく、看護師や女性を病院まで車で送った運転手まで訴えられる仕組みになっています。このため、関係者は住民から一斉に訴えられる可能性もあり、 これは「賞金稼ぎ」に発展すると批判の声もあがっています。
これを受けて司法省は、テキサス州が連邦法によって定められた女性の権利を侵害するものだとして、9日木曜日、テキサス州連邦裁判所に訴えを起こしました。