先週、フロリダ州のデサンティス知事がマサチューセッツ州に送った移民を巡り、刑事事件の捜査が行われています。
14日水曜日、フロリダ州のデサンティス知事がチャーター機でテキサス州にいた移民約50人をフロリダ州に移送し、その後マサチューセッツ州のマーサズ・ヴィンヤード島に移送しました。現地では移民の到着を事前に知らされておらず、食料やシェルターの準備など急な対応に追われました。これについてデサンティス知事は「彼らは移民の聖地とも言える場所に行けました。」と語りました。
19日月曜日、テキサス州ベア郡の保安当局は、この移送について刑事事件として捜査を行うと発表しました。「48人の移民はウソの情報で勧誘され、ホテルに数日滞在後、就職や良い生活が送れるなどと約束され、マーサズ・ヴィンヤード島に移送されました。」
また、20日火曜日、移送された移民が詐欺や差別の被害にあったとして、人権団体の弁護団を通しデサンティス知事に集団訴訟を起こしました。弁護団によると、移送された移民は難民ではないにも関わらず「マサチューセッツ州の難民支援」のパンフレットを配られ、支援が得られると約束されていたということです。
デサンティス知事は移民は自主的に移送されたと主張していますが、民主党は移民を政治的に利用したと批判しています。
不法移民を巡る問題は深刻で、去年の10月から1年間でおよそ200万人がアメリカ南部の国境に到着しています。その多くがベネズエラから来ているということです。
テキサス州エルパソには毎日およそ2000人の移民が到着しており、シェルターが足りず、 路上で寝るほか選択肢のない家族もいます。エルパソでは独自にバスを用意し、移送先と連絡を取った上で移民の移送を行っています。現地で移送バスを取材したABCニュース記者は「彼らは30時間かけてニューヨーク市に行きます。」とリポートしました。16日金曜日、テキサス州知事は、今年4月からこれまでにおよそ1万1000人の移民をワシントンDC、ニューヨーク市、イリノイ州シカゴへバスで移送したと発表しました。