新型コロナウイルス・ワクチンの追加接種に関する動きが加速しています。
アメリカでは、新規感染者数、入院患者数が減少していますが、10州で感染による入院患者数がパンデミック始まって以来最多となっており、6つの州では利用可能な集中治療室の病床が10%以下となっています。感染による死亡者数は68万人を超えました。
そうした中、追加接種に向けての動きが加速しています。 21日火曜日、ジョンソン・エンド・ジョンソンは治験データを公開し、追加接種で有効性が高まると発表しました。ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは1回で接種完了し、アメリカでは1400万人が接種をうけています。ハーバード大学医学部の小児科学教授は「1回の接種で十分な有効性があり、免疫は落ちていません。しかし、追加接種で有効性が高まります。」と語りました。
治験では、1回目の接種から2カ月後に2回目を接種したところ、発症の予防効果は94%、重症化の予防効果は100%だったということです。また、1回目の接種から6カ月後に追加接種を行った場合、抗体レベルが増加し、最大で12倍になったということです。
一方、22日水曜日、ファイザー製ワクチンに関して、FDA食品医薬品局は一部の人への追加接種を承認しました。追加接種の対象となるのは、65歳以上で 2回目の接種から6カ月が経過した人、糖尿病や高血圧の人など重症化のリスクが高い人、医療従事者や教員などフロントラインワーカーです。
イスラエルでの調査データによると、追加接種を受けた60歳以上の感染リスクは、11分の1に重症化は20分の1に低下したということです。また、16歳以上の一般の人への追加接種に関しては十分な情報がないとして、FDAは承認を見送りました。ブリガム&ウィーメンズ病院の医師は「若い人への追加接種に関して安全性と有効性を示すデータが必要です。年配の人に関するデータはありますが、若い人への追加接種にはまだ疑問があります。」と語りました。
23日木曜日には追加接種に関してCDC疾病対策センターの専門家委員会による協議が行われ、FDAとは異なる見解を示しました。CDCの専門家委員会は、65歳以上で2回目の接種から6カ月経過した人、18歳以上で重症化リスクの高い人への追加接種を推奨するとしましたが、医療従事者などのフロントラインワーカーへの接種は推奨しないとしました。対象者への追加接種は24日金曜日にも始まります。