全米での新型コロナウイルスの感染者数はおよそ900万人におよんでいます。各地で感染拡大が見られています。
アメリカでは、29日木曜日に 1日の新規感染者数が8万5000人以上確認され、パンデミック始まって以来、過去最多となりました。感染による死亡者数は22万8000人以上となりました。ジョンズ・ホプキンス大学の調査によるとアメリカでは、1.2秒に1人、陽性が確認されている状態で、107秒に1人、感染で死亡しているということです。
テキサス州エルパソでは、感染による入院患者数が 過去2週間で急増していて、病床がひっ迫しています。25日、日曜日には、 屋外の仮設病院が設置されました。 医師は「かつてなく、予想以上に深刻な状況です。」と語りました。
イリノイ州シカゴでは、感染者数が増加していることから、23日金曜日から少なくとも2週間の間、バーを含む不要不急のビジネスについて、夜10時から午前6時までの営業を禁止しました。人と集まる際には6人以内とし、夜10時までには解散するようにとしています。医師は「みんなパンデミックにうんざりして、感染への警戒を緩めています。」と語りました。
オハイオ州では、24日土曜日に1日の新規感染者数が過去最多の2800人以上となりました。一方で、大学のフットボールリーグ「ビッグ10」の再開を受け、多くの学生がマスクを着用せずに密集する様子が見られました。
ユタ州のソルトレイクシティでは、学校が閉鎖されることを恐れ、保護者の一部が子供に検査を受けさせない状況が伝えられています。保護者の1人は「保護者の一部では互いに子供に 検査させないよう勧めています。止めるべき危険な行為です。と語りました。また、先週22日、ユタ州病院協会は、感染による 入院患者の増加に伴い、今後、集中治療室の病床を回復が見込まれる患者や年齢が若い患者に優先して割り当てる必要が出てくる可能性を州知事に警告しました。
ウィスコンシン州では、感染拡大が深刻な状況が続いています。27日火曜日に、1日の新規感染者数が5200人以上、1日の感染による死亡者数は64人となり、いずれも過去最多を更新しました。
そうした中、アメリカの第三四半期のGDP=国内総生産は、パンデミックの影響で記録的に落ち込んでいた前の四半期に比べて33.1%上昇し、これまでにない伸び率となりました。これは経済活動の一部再開によるものと見られています。しかし、追加経済支援策の交渉が長引く中、新規失業保険申請件数は先週1週間だけで7万5000人を超え依然高い水準となっている上に、感染が再び拡大していることから専門家は経済の先行きは不透明と見ています。