気温が下がり、新型コロナウイルスの感染者数の増加が懸念されています。そんな中製薬大手ファイザー社は、新型コロナワクチンの3回目の追加接種、いわゆるブースターショットの対象を、18歳以上の全ての大人に拡大するよう承認申請しました。
ファイザー社は以前も、16歳以上を対象にした追加接種を承認するよう FDA・食品医薬品局に申請しましたが9月に却下されていました。現在は65歳以上や感染のリスクが高い人に限定して追加接種が行われていますが、9日火曜日、ファイザー社は接種の対象を18歳以上の全ての大人に拡大するよう、再度FDAに承認申請しました。ファイザー社の新たなデータでは、追加接種は全ての年齢層で、新型コロナの発症を95%以上抑える効果があることがわかったとしています。
アメリカの20以上の州では新型コロナの新規感染者数が10%以上増加しています。寒くなって屋内にいる時間が増えたことが原因と考えられていて、追加接種の緊急使用許可は感謝祭前にも降りる可能性があると見られています。
バイデン大統領は先週、従業員100人以上の民間企業に対して、 ワクチン接種または週1回の検査を来年1月4日から義務付けると発表しましたが、その日のうちに約30の州がこの義務化は違憲だとして訴えを起こしています。ルイジアナ州の連邦控訴裁判所は6日、義務化の一時差し止め命令を出していますが、この決定に対して司法省は「1日に何十、何百の人命を失うことになり得る」と反論しています。
ワクチン接種の義務化については反発が続いています。12月18日を期限に市職員にワクチン接種義務化を進めるロサンゼルス市では8日、大規模な抗議活動が行われました。しかし、同じく市の職員にワクチン接種を義務付けているニューヨーク市では、少なくとも1回の接種を受けた職員は93%に上っていて、一定の効果を指摘する声も出ています。