全米では新規感染者数が増加しています。変異ウイルス「オミクロン株」への感染も各地で見られています。
アメリカでは、およそ2カ月ぶりに1日の新規感染者数の7日間平均が11万人を上回り、10月下旬から83%増加しました。1日の感染による死亡者数の7日間平均は1100人に迫っています。子供の新規感染者数も増加していて、先週1週間で13万3000人となりました。
変異ウイルス「オミクロン株」は、9日木曜日の段階で21州で確認されています。いずれも症状は軽度または、中程度だということです。米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は「これまでの症例を見る限り重症化の傾向はないようです。入院率を見ても症状はさほど重くないのかもしれません。」と語りました。初期段階の研究によると、オミクロン株は一般的な風邪の遺伝物質を取り入れた可能性があり、そのため感染力が強いとみられています。
オミクロン株に感染したミネソタ州の30歳男性は、追加接種を済ませ、先月、ニューヨーク市で行われた大規模なアニメイベントに参加していました。男性はABCニュースの取材に「感染したことに驚き、オミクロン株でさらに驚きました。」とこたえました。男性はイベント会場で感染したのではなく、ワクチン接種完了者30人ほどのグループでマスクを着用せずに集まった際に感染したと思われると話しています。
男性と集まった人の約半数に感染が確認されたということです。
また、週末にルイジアナ州ニューオーリンズで下船したクルーズ船の乗客と乗員17人に感染が確認されました。そのうち1人はオミクロン株への感染の可能性があるということです。このクルーズ船には3200人が乗船しており、クルーズ船運営会社は「乗客、乗員の全員がワクチン接種を完了していることに加え、検査、隔離、濃厚接触者の追跡を行っている。」と声明で述べています。
一方、6日月曜日から空路で入国する2歳以上渡航者全員に対し、出発の24時間以内に受けた感染検査の陰性証明書の提出が必要となりました。検査方法は、PCR検査を含む核酸増幅検査の他、抗原検査も認められています。空港を利用していたネバダ州在住の男性は「搭乗前に検査可能な時間が短すぎます。」と語りました。
CDC疾病対策センターは、ワクチン接種や症状の有無に関わらず、ホリデーシーズンで人と集まる際には事前に検査を受けるよう推奨しています。