アメリカの消費者物価指数が発表され、インフレに歯止めがかかっていない状況が浮き彫りになりました。
10日金曜日、アメリカ労働省が発表した11月の消費者物価指数は 1年前と比べて6.8%上昇し、約40年ぶりの高い水準となりました。 ハーバード大学経済学部のジェイソン・ファーマン博士は「ほぼ全ての商品の価格が急速に上昇しています。人々が物を買うようになって需要が高まり、価格が上昇しています。」と語りました。バイデン大統領はインフレについて供給網の混乱を理由にあげ、物価の上昇は一時的なものだとしました。「家計に影響を及ぼしています。時間はかかるが下がると思います。」
失業率はパンデミック前の水準近くにまで下がっており、求人数が失業者数を上回っています。しかし、物価の急撃な上昇は人々の生活に影響をもたらしています。買い物客は「いままで普通に買っていたものを来月にしなければならないこともある。」と語りました。食料品は6.4%上昇 、肉、魚、卵は約13%、牛肉は20%以上、住宅価格は3.8%、ガソリン価格は7年ぶりの高水準です。中古車やトラックにおいては去年に比べて31.4%上昇しています。ある中古車店では需要があまりに高く、商品は早い者勝ちとなっており、客が試乗もせずにSNSを通じて購入していくということです。
これまではインフレが一時的なものとしていたFRB連邦準備制度理事会のパウエル議長も、15日水曜日、インフレが予想よりも長引いているとして、これまでの立場を変更し、2022年には3回の利上げを行う見通しを発表。インフレ対策に乗り出すかたちとなりました。