アメリカ南部と中西部で30以上の竜巻が発生し、甚大な被害をもたらしました。
10日金曜日夜から11日土曜日にかけて少なくとも35の竜巻が発生し、ケンタッキー州、イリノイ州、テネシー州、アーカンソー州、ミズーリ州の5州であわせて89人の死亡が確認されています。
最も大きな被害を受けたケンタッキー州では、竜巻の強さを示す指標6段階のうち、上から2番目に強い勢力の竜巻が200キロメートル以上に渡って移動しました。16日木曜日までに75人の死亡が確認され、生後2カ月の赤ちゃんを含むこども12人も犠牲となりました。ケンタッキー州のベシア知事は「捜索が困難な状況ですが、犠牲者はさらに増えるでしょう。」と語りました。
15日水曜日、バイデン大統領はケンタッキー州の被災地を視察し、連邦政府が復旧にかかる費用を長期的に支援していく考えを示し「どんなに復旧に時間がかっても支援を続けます。被災地が回復して再建するまで支援します。」と語りました。ケンタッキー州では、1000軒以上の家屋が倒壊し、16日木曜日夕方の段階で1万1千世帯以上(11600)で停電が続いています。
倒壊したキャンドル工場では8人が死亡しました。クリスマス前の書き入れ時で、当時、工場では100人以上が働いていました。従業員の一人は、竜巻警報のあとに早退を申し出たところ、上司から「早退したら懲戒処分にする」と脅されたとメディアに話しています。工場側はこれを否定しいますが、州知事は、当時の状況を調査するとしています。
復旧作業が急がれていますが、ケンタッキー州では新型コロナのワクチン接種率は54%にとどまっており、マスクをする人も少なく 、大勢の人が集まっている避難所などでは感染拡大も懸念されています。