大統領選前から暗礁に乗り上げていたコロナ禍での追加経済支援策が、議会でようやく合意に向かって動き出しました。
アメリカでは現在、パンデミックの影響を受け、5000万人の市民が「十分に食事をとれない状態にある」と予測され、約2000万人が失業手当を受け取っていると試算されています。先週一週間の新規失業保険の申請件数は88万5000件となり、その前の週の86万2000件に比べて増加しています。12月末には失業手当などの支援が期限を迎え、同時期に、家賃が未払いになっている人の立ち退きを禁止する措置が失効することから、追加の支援策が急がれていました。
16日水曜日、民主党のペロシ下院議長と共和党のマコネル院内総務の間で協議が進み、追加支援策の内容が明らかになりました。今回の追加支援策は、9000億ドル規模の法案で、週300ドルの失業手当、600ドルの追加直接給付金の他、家賃が未払いになっている人の立ち退きの禁止措置延長、スモールビジネスへの支援、ワクチン配布の費用などが含まれています。しかし、民主党が望んでいた「州や地方自治体への支援」、共和党が望んでいた「企業がコロナ関連の賠償責任から免除される条項」は含まれておらず、双方が歩み寄った形となりました。このあと週末にかけて、詰めの作業を行うと見られ、年内の合意を目指します。