全米で、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。 そうした中、ワクチンへの信頼度が人種によって異なることが明らかになっています。
11日金曜日、製薬大手「ファイザー」が開発したワクチンの緊急使用許可が、FDA食品医薬品局により承認され、 14日月曜日から、全米でワクチンの接種が始まりました。 16日水曜日には、老人ホームでのワクチン接種も始まりました。ファイザーのワクチンは、 摂氏マイナス70度での 保管が必要で、 温度管理された状態で梱包され、 各地に配送されます。配送先では、箱から取り出して90秒以内にマイナス70℃の冷凍庫へ、または通常の冷蔵庫で解凍し5日以内に使用。1瓶5回分で、冷蔵庫から出したあとは、2時間以内に使用する必要があります。
一方、17日木曜日、バイオテクノロジー企業「モデルナ」が開発したワクチンについて、 FDA・食品医薬品局により、専門家委員会の協議行われました。その結果、専門家らは、緊急使用許可への承認を推奨するとしました。承認され次第、モデルナのワクチンの接種も始まります。
しかし、黒人層の間では、ワクチン接種への懐疑的な見方が少なくありません。アンケートでワクチンの安全性を信用していると答えた 黒人の回答者は14%にとどまりました。市民の女性は、可能になったらワクチン接種を受けるとしていますが、同時に不安もあるとし、 「アフリカ系アメリカ人は医療業界に不当に扱われてきた歴史があります。」と語りました。アメリカでは、過去に黒人が、告知されずに医療の実験対象にされた歴史があります。14日月曜日、アメリカで最初にワクチン接種を受けたのは、ニューヨーク市の病院で集中治療室に勤務する黒人の看護師でした。看護師は、進んでワクチン接種を受けた理由を「世界中の黒人の人たちに、ワクチン接種に希望をもってほしくて。」と語りました。
CDC・疾病対策センターによりますと、新型コロナウイルスで死亡する割合が黒人層の人たちは、白人層より2.8倍高くなっています。それだけに、黒人のコミュニティの間でもワクチンに対する信頼を広げ、接種を受けるよう呼びかけられています。