急がれるコロナ禍での追加経済支援策ですが、トランプ大統領によって足止めされた状態になっています。
先週一週間の新規失業保険の申請件数は、80万3000件以上となりました。アメリカでは現在2000万人以上がパンデミックの影響で、何らかの支援を受けている状況です。クリスマスの翌日26日に失業手当などの支援が期限を迎えることから追加の支援策が急がれています。
21日月曜日、9000億ドル規模の 追加支援策の法案が、上下両院で可決されました。追加支援策には、週300ドルの失業手当、3000億ドル近いスモールビジネスへの支援、80億ドル以上のワクチン配布への費用などの他、600ドルの直接給付金が含まれています。直接給付金は年俸7万5000ドル以下の人が対象で、4人家族ならば2400ドル給付されることになります。
22日火曜日、トランプ大統領はツイッターに動画を投稿し、法案の内容に不服だとし修正を求め、現行の法案に署名しない意向を示しました。トランプ大統領は動画で「議員らに直接給付金の修正を求める。600ドルは少なすぎる。1人2000ドルかカップルに4000ドルにすべきだ。また不必要な項目は削除するよう求める。」と語りました。トランプ大統領は、コロナ禍での追加支援策であるにもかかわらず、海外への援助、博物館への支援、不法滞在者への給付金が含まれているとし、もっとアメリカ国民への支援にあてるべきだと主張しました。
24日木曜日、議会下院で、民主党は直接給付金を2000ドルに引き上げた修正案の可決を目指しましたが、共和党は海外への支援などの変更も求め阻止しました。これを受けペロシ下院議長は、28日月曜日に2000ドルの直接給付金単独での法案可決を目指すとしています。
トランプ政権のムニューシン財務長官も合意していたにも関わらず、トランプ大統領から突如「待った」がかかったことに議会は混乱しています。追加支援策は、2021年度予算案と一本化した法案です。現行のつなぎ予算が28日に期限を迎えることから、トランプ大統領が法案に署名しない場合、政府機関が一部閉鎖に追い込まれる可能性も出てきています。