11月の中間選挙で当選し、下院議員としての座を獲得した共和党のジョージ・サントス氏が選挙中にうたっていた学歴から職歴まで、ありとあらゆる経歴が事実ではなかったことがニューヨークタイムズ紙の取材で判明しました。
今年の中間選挙でニューヨーク選出の下院議員選に当選し、来年1月に就任を予定している共和党ジョージ・サントス氏について、その大胆な経歴詐称が明らかになりました。
サントス氏はニューヨークの有名高校に通い、バルーク大学を卒業、ニューヨーク大学で経営学を学んだとしていましたが、いずれもサントス氏が在籍した記録はないとしています。また、シティーグループとゴールドマンサックスで勤務していたという職歴についても、両社はニューヨークタイムズ紙にサントス氏が働いていた記録はないとしています。さらに、祖父母がホロコーストを逃れてブラジルに移住し、先祖はユダヤ人だとして選挙活動を行っていましたが、実際は祖父母もブラジルで生まれたと見られるということです。
こうした報道について、当初、経歴詐称を否定していたサントス氏ですが、26日月曜日メディアの取材に応じ一転、報道されている内容を認め、経歴を誇張したとして謝罪しました。しかし、議員を辞任するつもりはないとしています。
そうした中、金銭的な疑惑も浮上しています。サントス氏は、2020年には年間5万5千ドルの収入を報告していて、2年後の2022には1100万ドルの資産があるとしています。サントス氏は自身の選挙事務所に、個人として70万ドルを貸し付けています。この巨額の資産がどこからきたのか明確になっておらず、連邦検事局が非公式の捜査を始めています。
民主党側からは批判が殺到しています。次期民主党院内総務のハキーム・ジェフリーズ下院議員は「ジョージ・サントス氏は説明責任を果たすべきだ。完璧な詐欺師だ。」と語りました。
この他にも、選挙運動中の発言で事実とは異なることが次から次へと出てきていて、今後の動向が注目されています。しかし、来年1月からの新しい議会の下院でわずかな過半数を握る共和党は、1議席も無駄にはできなのが現状です。共和党指導部はこの件についてのコメントを避けています。