今もアメリカの多くの州が新型コロナウイルスの感染拡大の抑制に追われる中、トランプ大統領は、経済再開に続き、学校の再開時期についても具体的に考えるよう、知事たちに求めています。
新型コロナウイルスによる全米の死者数は5万5000人を超えました。 感染のピークが過ぎたと言われているニューヨーク州では、 新たに入院する感染患者は今も1000人にのぼり、1日の死者数は330人を超えています。 クオモ知事は、外出を控えるよう改めて州民に呼びかけました。病院では引き続き懸命の治療が行われていますが、そんな中、マンハッタンにある病院の救急救命室で責任者を勤めていた医師が自殺していたことがわかりました。感染患者の治療にあたっていた医師は、自らも感染し、回復して職場復帰を果たした後に自ら命を絶ったと言います。
先週末から一部のスポーツジムやヘアサロンが営業を再開しているジョージア州を始め、現在全米の10州以上が経済活動の再開を始めたり、再開する準備を進めています。一方で、感染拡大が深刻な州では、具体的な再開の時期について話すのは時期尚早だという意見も少なくありません。
保健当局は、経済活動を再開している州を含め、ソーシャル・ディスタンシングの継続を強く呼びかけていますが、一方でトランプ大統領は各州の知事たちに、学校の再開時期について具体的に検討を始めるよう働きかけました。トランプ大統領は、若い人が感染で重症化するケースが少ないことをあげ、短期間でも学校を再開できる地域があるはずだと語っています。しかし専門家は、子供への感染よりも、その子供から家族に感染する懸念の方が大きいとしてこの考えに疑問を呈しています。