メーン州で18人が死亡した銃乱射事件。逃走していた容疑者の男が、事件発生から2日後の先月27日、隣の町で、遺体で発見されました。元陸軍予備兵のこの容疑者は、精神障害の病歴があり『危険人物』とみなされていました。
先月25日、メーン州ルイストンのボウリング場とレストランバーの2カ所で男が銃を乱射し18人が犠牲になった事件。犯行後に自殺したとみられる、ロバート・カード容疑者(40)は、事件を起こす数カ月前から、家族や所属していた軍当局から危険な人物であると見られていた事が、明らかになりました。
ABCニュースが入手した文書によると、容疑者の家族は、今年1月に男の精神的状態の悪化を懸念して、男の銃器の購入・携帯の禁止などについて当局に相談、容疑者の息子は、父親が「仲間が自分を『小児性愛者』と噂している」と呟くなど父親の精神状態が良くないことも報告しています。
また容疑者が予備兵として所属していた陸軍当局は、7月に軍の医療施設で検査を受け、2日後に民間の医療機関に送られた際にも容疑者に「武器や弾薬を扱いや、実弾射撃の訓練に参加すべきではない」とした診断を下していました。
軍の記録によりますと、容疑者は仕事を理由に、9月にも10月にも経過報告を怠っていたということです。その後の調べでは、容疑者は、所属していた軍施設を襲撃すると脅迫していてメーン州の保安官事務所は、厳重警戒体制をしいていましたが、事件の起こる1週間前にその警戒を解除していた、ということです。
当局から危険な人物と見なされていながら、武器を入手し銃撃事件が起こる例は数多く見受けられ、こういったバックグラウンド・チェックの厳格化や銃規制強化などの議論が広がっていくかが、今後注目されます。