アメリカでは今日までにほぼ全ての州が経済活動の一部を再開させる予定ですが、この週末も各地でソーシャルディスタンシングを守らない人混みができたことで懸念されています。
新型コロナウイルスによる死者数は現在9万人に届こうとしています。CDC・米疾病対策センターがあらたに発表した予想によると、感染による死者数は来月1日までに10万人に上る可能性があるということです。その一方で、この週末、晴天に恵まれた各地では公園やビーチなどに人が集まり、再び感染が拡大することが懸念されています。ニューヨーク市内の公園では、6フィートの長さを示す横断幕を持って園内を巡回し、人々に注意を促す警察官の姿もありました。
また、再開されたカリフォルニア州ロザンゼルス郡のビーチでは、ソーシャルディスタンシングを守らない人も多く、また、水の中以外では着用が求められているマスクをつけていない人も見られました。
カリフォルニア州のニューサム知事は、安全な経済活動の再開は、都市を封鎖することよりもはるかに難しいと指摘しています。今日までに、コネティカット州を除いた49州が屋内退避令などの措置を一部緩和する予定で、各州の知事は感染拡大の防止と経済の回復を両立させるための対策を急いでいますが、FRB・米連邦準備制度理事会のパウエル議長は、アメリカの経済が完全に回復するには来年の終わりまでかかる可能性があると述べています。
この感染拡大は特に飲食業に打撃を与えていて、レストランオーナーを対象に行った調査では、6カ月間営業ができなければ生き残れる確率はわずか15%だと答えています。さらに、レストラン予約サイトが2万店のレストランを解析した結果、4分の1にのぼる店がこの感染拡大で閉店に追い込まれるとしています。一方、アメリカ商務省が発表した4月の小売売上高は前の月に比べて16%以上減少し、これは統計を初めて以来最大の下げ幅です。アパレル業界に至っては、去年に比べると、売り上げが前例のない90%近くの減少になっているということです。