新型コロナウイルスによるアメリカの死者は昨日までに7万5000人を超え、1日で3000人近くが死亡しています。感染者の数は125万人以上に上り、トランプ大統領の世話をするホワイトハウスのスタッフにも感染者が出ていたことがわかりました。
昨日、大統領執務室や上級スタッフのオフィスなどが入るホワイトハウスの西棟で初めて、新型コロナウイルスの感染者が出たことが明らかになりました。6日に症状が出たという海軍所属のスタッフは、トランプ大統領の身の回りの世話を担当し、昼食や飲み物を執務室に運ぶことなども行っていたということです。感染が判明したのちにトランプ大統領とペンス副大統領はウイルス検査を受け、陰性だったということですが、トランプ大統領は、これまで一週間に1度だった自身と周囲のホワイトハウススタッフのウイルス検査を1日に1回実施するとしています。
ウイルス検査が経済活動の再開を円滑に進める鍵と言われていますが、全米各地では今も検査キットが不足しています。経済活動の一部を再開している州は今週末には44州になる予定ですが、再開に向けた政府のガイドラインを満たしていない州が多いことが懸念されています。これについて聞かれたトランプ大統領は、各州の知事たちを信頼している、正しい判断を下すことを望むと答えるにとどめています。昨日トランプ大統領と会談したテキサス州のアボット知事も、州内で感染者数が増加しているにも関わらず、経済活動の再開を始めています。
CDC・米疾病対策センターは、レストランや学校、教会などを安全に再開させる方法を具体的に記した17ページに及ぶガイドラインの草案をまとめましたが、ホワイトハウスは、そのガイドラインを発表しないとする決定を下しました。ホワイトハウス高官はABCの取材に対し、草案は内容が重複していて不必要だ、と語っています。
一方、全米で先週、新たに320万人が失業保険を申請したことが明らかになりました。新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降7週間で、失業した人は3300万人以上にのぼります。全米各地では、食料を無料で配るフードバンクに人々が殺到していて、食料を必要なだけ確保できなかったり、まったくもらえない場合もあるということです。現在、アメリカの12歳以下の子供、900万人が、十分な食事を与えられていない状態だという調査結果も出ています。