アメリカ政府はきのう、3種類の新型コロナウイルスのワクチン開発に資金を投資し、この夏には第3段階の臨床試験を行うことを明らかにしました。これは、ワクチンの有効性を調べることが目的の最終段階で、最大9万人のボランティアを対象に、半数に開発中のワクチン、残りの半数に偽薬を投与し、その後、ウイルスに感染した人と抗体を持っている人を割り出すということです。
アメリカのバイオテクノロジー企業「モデルナ」は、7月に第3段階の臨床試験を始める予定で、8月にはオックスフォード大学と協力するイギリスの製薬大手「アストラゼネカ」、9月にはアメリカの医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」が続くということです。国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、成功の保証はないと慎重な見方を示しながらも、少なくとも1つには効果がある可能性に言及し「今年の末か来年初めの数ヵ月のうちにワクチンが準備できるかもしれない」と語っています。
現在、アメリカの少なくとも20州とプエルトリコで感染拡大が報告されていて、そのうち8州では入院する感染患者の数が増加しています。テキサス州ではメモリアルデー以来、入院患者が40%急増しています。また、すでに集中治療室の病床がいっぱいのアリゾナ州では、先月中旬には感染による死者数は600人と予測されていましたが今では4500人と予測されています。感染者の増加を受け、再び屋内退避令を視野に入れる自治体も出てきているということです。