きのう6月4日、警察に拘束され死亡したジョージ・フロイドさんの追悼式が事件のあったミネソタ州で行われました。ミネアポリスの警察も膝をつき、フロイドさんの棺を迎えました。マスクをつけ、ソーシャルディスタンシングを保ちながら行われた追悼式ではフロイドさんが白人警察官に首を抑えられていた時間の長さと同じ、 8分46秒間の黙とうがささげられました。ニューヨーク市のブルックリンでも大規模な追悼集会が行われました。人々は膝をつき、フロイドさんの名前を繰り返し呼び、死を悼みました。会場に訪れたフロイドさんの弟は「抗議活動は光栄ですが、暴動はよくありません。兄もそう思うでしょう。」と呼びかけました。その後、人々はブルックリンからマンハッタンにむけて橋を歩き、平和的な抗議デモを行いました。ワシントンDCでは議会で民主党の上院議員が集まり、フロイドさんに敬意を表し8分46秒の黙とうをささげました。
一方、ホワイトハウスの前には抗議デモへの対策として新たにフェンスが建てられました。トランプ大統領が一部の暴徒化を受け、連邦軍の派遣を辞さない構えであると発言したことに対し、3日、ジェームズ・マティス前国防長官は「トランプ大統領は国を結束させようとしない、私の知る初めての大統領だ。国民を分断させようとしている。過去3年間、成熟したリーダーシップが欠如していた結果だ」と非難する声明を発表ています。 このマティス氏の発言に対し、きのう、共和党議員からも賛同する声が聞かれました。リーサ・マーカウスキー上院議員は「マティス氏の発言は真実だと思います。いま必要な時でした。」と語りました。また、ミット・ロムニー上院議員は「マティス氏の声明は力強いものでした。マティス氏は忠実な愛国者です。」と述べました。そうした中、共和党の重鎮リンゼー・グラハム上院議員は「大統領がすべて正しいわけではないが、発言の一部を取り上げ批判するのは公平ではない」とテレビのインタビューで大統領を擁護しました。トランプ大統領は、マティス前国防長官の発言に対し、ツイートで「マティス氏の主導権の取り方や人柄が嫌いだった、政権からいなくなってよかった」 と痛烈に批判しました。トランプ大統領は、きのう夕方までにツイッターに75回の投稿を行なっていますが、そこにはフロイドさんへの哀悼をあらわすものはなかったとABCニュースは伝えています。
また、きのう発表された全米の先週1週間の失業保険申請件数は188万件で3月から初めて200万件を下回りましたが11週間で合計4200万件にのぼっています。フロイドさんが亡くなったミネソタ州では5月半ばの段階で黒人のおよそ3人に1人が失業保険を申請しておりそうした格差も大きな問題となっています。