アメリカでは、新型コロナウイルスの1日の新たな感染者数が4万人を超えています。そうした中、専門家はこのままだと1日10万人に達する可能性もあると警告しました。
カリフォルニア州は全米で最も早く行動制限措置をとり、制限の緩和も慎重に行っていましたが、これまでの感染者数が22万3000人以上にのぼっています。ニューサム知事は「行動制限やマスク着用が守られない場合は強制します」と語りました。リバーサイド郡では集中治療室の病床が99%埋まっている状態です。インぺリアル郡では、仮設病院でも治療が行われる事態となっていて、遺体を安置するために冷蔵車が手配されています。ロサンゼルス郡ではこれまでに10万人以上の感染者が確認されていて、ビーチを閉鎖し、週末に控えた独立記念日での花火を禁止するとしています。
全米、35の州で感染が増加、17の州で経済活動の再開を一時停止または後退させています。感染拡大が収束しつつあるニューヨーク州、ニュージャージー州、コネティカット州では感染が拡大している州からの旅行者に対し、14日間の自主隔離を義務づけていて、現在、カリフォルニア州を含む16州が対象となっています。全米の1日の新たな感染者は4万人を超えています。米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長はきのう上院委員会の公聴会で「1日の新たな感染者が10万人に達しても驚きません。このままでは事態が悪化していくと懸念しています。」とさらなる感染拡大もあり得ると警告しました。
フロリダ州では、これまでの感染者が15万人以上になりました。きのうから、マイアミビーチでは、マスク着用が義務付けられています。違反者には50ドルの罰金が科されるということです。フロリダ州知事は、5月末には「メディアではフロリダ州でニューヨーク州やイタリアのように爆発的な感染拡大が起きると言っていましたが、8週間たっても起きていません。」と発言していました。しかし、現在、感染者数、感染による入院患者数は増加し続けていて、州全体でマスク着用の義務化を求める声も出始めています。ある専門機関の研究によると、会話するだけでも感染する可能性があるといいます。話をしているだけで咳よりも10倍、飛沫を拡散しているということです。調査によりますと、マスクの着用で最大50%感染を防げるとされています。
EU、ヨーロッパ連合は今日から域外からの渡航制限を緩和し日本を含む15カ国からの観光客など、渡航者の受け入れを再開しています。受け入れる条件には、その国の新型コロナウイルスの感染率や感染動向、そしてソーシャルディスタンシング対策の有無などが含まれておりアメリカは今回除外されています。EUは2週間ごとに対象国の見直しを行うということです。