アメリカ国内での感染拡大に歯止めがかからない状況の中、学校再開についての議論が高まってきています。8月に学校再開を予定しているフロリダ州では、教師たちが再開が早すぎるとして抗議活動を行っています。フロリダ州在住で、双子の娘を持つ母親は「私たちでは教師のようには教えられません オンラインでも通学でも教師による教育が受けられるようにしてほしいです。」と教育への不安を語りました。新型コロナウイルス対策チームのブレット・ジロワー厚生省次官補は「データによると子供たちが感染を広げる可能性が低い」と語りました。しかし、子供の感染についてのデータは限られていて、実際に感染拡大の可能性が低いかどうかは証明されていません。CDC疾病対策センターのガイドラインでは、ソーシャルディスタンシングなどの対策がとれない状態で学校を再開すれば感染拡大の危険が非常に高くなるとしています。しかし、感染が拡大している地域のひとつ、カリフォルニア州のオレンジ郡の教育委員会はソーシャルディスタンシングやマスクなしでの学校再開に賛成票を投じました。同郡の教師は「自分の生徒でなくても、学校に来たことで感染し亡くなったらと思うと耐えられません。」と学校再開には早いと訴えました。
学校を完全に再開させたいトランプ政権は、先週新学期の授業をオンラインのみにする大学などに通う留学生について、ビザを無効にする方針を明らかにしていましたが、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学をはじめ多くの大学などがこれを「無謀」などとして一斉に提訴。内外の企業などからも批判が高まり、政府が方針を撤回する形となりました。