アメリカでは新型コロナウイルスの感染者数が38の州で増加、独立記念日の祝日を前に、 全米の4割の州で経済活動再開を一時停止、または後退させています。
感染者の増加が続くカリフォルニア州では1日の新たな感染者数がおよそ1万人となり、過去最多となりました。カリフォルニア州知事は会見で「懸念すべき感染拡大が続いています。感染者数だけでなく感染の陽性率が上がっています。」と語りました。こうした事態を受け、ロサンゼルス郡を含む19の郡でバーやレストランなどでの屋内の飲食、博物館、ワイナリー、映画館などを再度閉鎖する措置がとられました。違反者は営業免許が没収される可能性もあるということです。現在、25の州で感染による入院患者数が増加しています。フロリダ州では、感染患者の半数が35歳以下です。大学生のこの女性は夜間に友人と外出し感染したといいます。テキサス州では1日の新たな感染者が8000人を超え、過去最多となりました。感染による死者は2400人以上となりました。 ダラスで治療に当たっている医師は「どの患者を治療するかの選択を迫られる日々です。誰かの治療にあたると、他の患者を治療できないような状況なんです。」 と厳しい現状を語りました。現在、全米20の州で経済活動再開を一時停止、または後退させています。各地での感染拡大を受け、ニューヨーク市では、来週から飲食店の屋内での営業を再開する予定でしたが、延期されました。また、ニューヨーク州のウエスト・ナイアックでは、ハウスパーティーに関連するクラスターが発生し8人の感染者が確認されました。主に20代の若者で数人に2000ドルの罰金が科せられたということです。
こうした中、ワクチンの開発が急がれています。きのう、アメリカの製薬大手ファイザーは、臨床試験の初期段階で良好な結果が得られたと発表しました。WHO世界保健機関によると、現在17種類のワクチンが臨床試験に進んでいてその前の段階のワクチンは132種類あるということです。最も進んでいるのはオックスフォード大学が製薬会社と共同で開発しているワクチンで安全性と有効性が確認されれば、緊急用として10月に供給できるとしています。続いて、中国のカンシノ・バイオロジクスのワクチンは、人民解放軍に限定して使用する承認を得たと発表しました。そしてアメリカのバイオテクノロジー企業モデルナが開発しているワクチンは、うまく進めば2021年初めにも実用化の可能性があるとしています。世界中で開発が急がれているワクチンですが安全性と効果はもちろん、より多くの人が接種できるよう大量生産ができるかどうかも課題となっています。