アメリカでは、新型コロナウイルスの 1日の新たな感染者数が5万人を超え、過去最多となりました。 独立記念日で連休となるこの週末にさらなる感染拡大が起きるのではないかと懸念されています。
フロリダ州では、感染拡大が続いていて、きのう報告された1日の感染者数は1万人以上にのぼり、過去最多となりました。 1日の感染による死者数は67人で、11歳の少年もその犠牲者の一人です。ジャクソンビルの病院の看護師は「感染を深刻にとらえ行動を変えないと2週間後には痛ましい状態になるでしょう。」と警戒しています。全米で1日の感染者数が5万人を超え、これまでで最も多く、感染症の専門家は、感染を抑えられていないと警戒を呼びかけています。米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は「明らかに間違ったかじ取りをしています。1日の感染者数の最大記録が 毎日のように更新され心配でなりません。」と語りました。現在、38の州で感染拡大が続いていて、19の州で経済活動の再開を一時停止、または後退させています。しかし、きのう、トランプ大統領は「一部の地域で感染拡大していますが対処できています、危機は抑えられています。」と感染を制御できていると語りました。現在、26の州で感染による入院患者が増加、感染拡大が続いているアリゾナ州では、集中治療室の病床が89%埋まっている状態です。テキサス州にあるヒューストンの病院では、集中治療室の病床はすべて埋まっているということです。また、各地で子供の感染が目立ってきています。オレゴン州では、10歳未満の感染者数が319人確認されています。テキサス州では、300人以上が保育施設で感染、アリゾナ州のフェニックス近郊では、学校で30人の学生とスタッフの感染が確認されました。アラバマ州では、生後4カ月の乳児を含む5人の子供が感染し入院しています。一方、アラバマ州タスカルーサでは、学生が、感染者をパーティーに参加させ、意図的に感染を広げる行為が行われていたとして問題視されています。学生らは参加者の中で最初に感染した人に賞金を出していたということです。
独立記念日を前に対策をとるところも出てきています。行動規制がほとんどないミズーリ州のオザーク湖では、5月のメモリアルデーの祝日に人々が集まり、感染者もでたことから、独立記念日でも同様の事態になるとして対策を進めています。病院の感染対策担当者は「独立記念日に向け準備をしていますが、とても不安です。 感染者が急増すると予測しています。」と語りました。テキサス州では、独立記念日を前に、これまで「推奨」としていたマスク着用を州全体で義務化しました。カリフォルニア州では混雑を回避するためにビーチを閉鎖、ウエスト・ハリウッド市では、マスクを着用していない場合、300ドルの罰金が科せられる可能性があるということです。
一方、きのう発表された雇用統計によりますと、先月半ばまでの1ヶ月間で就業者数が480万人増加し、予想を上回りました。経済再開に伴い、増加の4割がレジャーとホスピタリティ産業だということです。しかしこれは多くの州で経済が再び閉鎖される前までの数字で、その後2度目の失業をした人たちも少なくありません。さらに先週1週間の新たな失業保険申請件数は142万件を超え依然高い水準を保っていることから、楽観視はできないと専門家は見ています。