きのう、11月の大統領選に向け、民主党の候補指名が確実なバイデン前大統領とバイデン氏の副大統領候補に指名されたハリス上院議員が初めてそろって演説を行いました。2人ともマスクをして登場し、会場に支持者を集めず、ソーシャルディスタンシングを保った状態で行われ、トランプ大統領とは異なる、新型コロナウイルス対策への立ち位置を明確にしました。
全米の新型コロナウイルス感染による死亡者数は、16万5000人を超えました。各地では、学校再開による感染者も確認され始めています。
ジョージア州チェロキー郡では、学校再開後に感染者が確認され、およそ1200人の生徒や教職員が隔離、2つの高校が2週間閉鎖されています。また、ジョージア州の生徒らがマスクなしで密集している動画が注目された高校では、35人の感染が確認され一部オンライン授業に移行することが決まりました。しかし生徒からは、教室での授業の再開を求める声も出ています。ある生徒は教育委員会の決定に抗議し「意見は人それぞれです。感染を恐れる人のせいでオンライン授業を強いられたくありません。」と発言しました。
テキサス州ベルネでは、生徒の席と席の間に飛沫防止パネルを設け、全ての教師と生徒にマスク着用を義務付けて学校が再開されました。
ニュージャージー州では、マーフィー知事が通学による学校再開を要請していましたが、教師らの抗議により、オンライン授業にする選択肢も認めました。
こうした中、CDC疾病対策センターのレッドフィールド所長は、繰り返し、マスク着用をすべてのアメリカ市民に呼びかけ、「全員にマスク着用を求めます。そうしないと、この秋は、史上最も困難な状況になるでしょう。」と語りました。
新たな感染者数は49州で減少しています。一方で、感染検査の結果が出るまでに何日もかかることが問題視されていて、カリフォルニア州の病院では、独自の検査設備を設けました。ABC記者は取材で「これはPCR検査機器で1日に900件の検査が可能です。」と伝えています。カリフォルニア州では、感染による入院患者数が20%減少していて、パンデミックの峠を越えたとみられています。しかし、先月だけで子供や10代の感染者数が150%増加していて、通学の再開はまだ見通しがつかない状況です。