全米での感染者は減少傾向にありますが、FEMA・連邦緊急事態管理局の資料によりますと、先週だけで約7500人の感染による死亡者が確認されており、前の週に比べて3%増加しているということです。フロリダ州では感染による死亡者数が1万人をこえました。1万人をこえたのは、ニューヨーク州、ニュージャージー州、カリフォルニア州、 テキサス州に加え、5つ目の州になります。
こうした中、きのう、FDA・食品医薬品局は、最も利用されている感染検査のひとつが、誤った陰性「偽陰性」を検出する可能性があると発表しました。これは、サーモフィッシャーサイエンティフィックの感染検査で、テストキットの構造で、検体が適切に処理されていない場合、偽陰性が出やすいとして警告しています。
また、治療法のひとつとして注目されていた血漿による治療について、FDAによる緊急使用許可の手続きが滞っているとメディアは報じています。回復した患者の血液からとる血漿には、抗体が含まれ、この血漿を患者に投与する治療法が安全で、一定の効果があると期待されていました。しかし、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長を含め、保健当局の専門家らは、FDAが認可するには、血漿治療が効果的だとする臨床データが不十分だとしています。FDAのハーン長官は、現在、臨床データを集めていて、その結果によって緊急使用許可を出す可能性はあるとしています。
FDAが新型コロナウイルスの治療にマラリアの薬、ヒドロキシクロロキンの緊急使用を認可して、その数ヶ月後に効果がないどころか害がある可能性もあるとして、認可を取り下げた経緯は記憶に新しく、血漿治療の認可はFDAの認可に対する人々の信頼がかかっているとして慎重に行うべきだと専門家は語っています。