アメリカのCDC疾病対策センターは、新型コロナウイルスの感染による死亡者数は今後3週間で20万人に達すると予測しています。
そうした中、トランプ大統領はきのう、FDA食品医薬品局が血しょうによる治療の緊急使用を許可したと発表しました。
トランプ大統領「FDAが緊急使用許可を出した。回復期血しょう治療だ」
これは、ウイルスに感染して回復した人の抗体が含まれる血しょうを患者に投与する治療法です。血しょうはMers、Sars、エボラ出血熱などのウイルス感染症の治療に これまでも使われてきました。 新型コロナウイルスに感染した全米で7万人の患者にもすでに使用されています。 しかし国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長を含め、保健当局の専門家らは、新型コロナウイルスの血しょう治療の効果についてはプラシーボ、偽薬との比較研究などがまだ行われておらず、FDAが許可するには臨床データが不十分だとしていました。そうした中でトランプ大統領は血漿の使用許可を推し進め、生存率が35%改善する可能性もある主張していたことから、大統領からFDAに対する圧力があったのではないかと懸念する声が専門家からあがっています。FDAのスティーブン・ハーン長官は許可の理由について次のように述べ、圧力についての記者の質問には答えませんでした。
ハーン長官「複数の科学者が回復期の血漿は安全で効果的だと結論づけており緊急使用許可に値する」
記者「許可するよう圧力はあったのですか?」