アメリカでの新型コロナウイルスの感染による死亡者数は、18万5000人を超えました。また、きのう、CDC疾病対策センターが11月にワクチンを配布する準備に取り掛かっていることがわかりました。
きのう、CDCのレッドフィールド所長が、全米の州知事に対し、11月1日までに、新型コロナウイルスのワクチン接種ができる体制を整えるよう文書で求めたことが明らかになりました。文書には、「政府は、この秋には十分な量のワクチン配布を実施するべく準備を進めている」と記されています。この文書が作成された8月27日は、トランプ大統領が共和党大会でワクチン配布について言及した日と同じ日でした。トランプ大統領は「私たちは治療で命を救っている。年内にはワクチンを製造する、さらに早いかもしれない」と語りました。専門家からはワクチン開発を急ぎすぎているという批判も出ていますが、政府は、11月3日の大統領選には関係ないとしています。また、ワクチンへの期待などから、 きのう、ダウ平均株価は 450ドル以上値を上げて、2万9100ドル50セントで取引を終えました。2万9000ドル台を回復するのは、感染拡大への懸念が広がった2月以来です。
一方、新学期が始まっている各地の大学では、感染者が確認され、大学の寮にいた学生を自宅に戻すなどの対応がとられています。これに対し、専門家は警鐘を鳴らしています。国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「学生に感染が確認されたら、校内で隔離してほしい。自宅に返すべきではない、感染が拡大する恐れがある。」と語りました。また、5月のメモリアルデーや7月の独立記念日の祝日のあとに、感染者が急増したことから、今月7日の祝日・レイバーデイの連休に感染が拡大することが警戒されています。 新型コロナウイルス対策チームのバークス調整官は「レイバーデイが近づいています。どうかマスクを着用してください。ソーシャルディスタンシングを守ってください。久しぶりに会う親戚や近隣住民との密も避けてください。」と語りました。
先月、サウスダコタ州で全米から40万人のバイク愛好家が集まる巨大イベントが開催されましたが、ミネソタ州からこのイベントに参加していた60代の男性が、 感染により死亡しました。男性には基礎疾患があったということです。イベントに訪れたほとんどの人がマスクを着用しておらず、感染の拡大が心配されていました。すでに、11州からきた参加者260人の感染が確認されています。