全米で相次ぐ銃乱射事件を受け、小売り大手のウォルマートは、拳銃の弾薬を含む一部の銃器の販売を停止することを決めました。ウォルマートは3日、拳銃やアサルトライフルなど殺傷力の高い銃器に使われる銃弾の販売を、国内すべての店舗で停止すると発表しました。同時に、国内で唯一、アラスカ州の店舗で行っていた、拳銃の販売もやめるということです。
ウォルマートは、アメリカに出回る銃弾の2割を売り上げているとも言われる銃器販売の大手ですが、今回の対応に踏み切った理由についてマクミロンCEOは、「市民の安全が最優先だが、現状はそうなっていない」と説明しました。
アメリカでは先月、テキサス州エルパソ、オハイオ州デイトン、さらに先週末のテキサス州オデッサの事件など、銃乱射事件が立て続けに発生し、死亡者はこの3つの事件だけで40人に及んでいます。マクミロンCEOは、自ら対応に動くことで、議会で停滞している銃規制法案の審議を促したい考えで、これには歓迎する声が多く上がっています。
一方、銃規制に反対するNRA・全米ライフル協会は、「圧力に屈した恥ずべき行動だ」などとウォルマートの対応に強い反発を示しています。また、先週末のテキサス州オデッサの事件では、容疑者が精神疾患を理由に銃の所持を禁止されていたにも関わらず、身元確認をしない個人から銃を買ったことがわかっています。こうしたいわば"法の抜け穴"も多くあり、ウォルマートの対応が銃による暴力を減らすことにつながるかどうかは疑問だという声も出ています。