トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判で、疑惑の鍵を握るとされるボルトン前大統領補佐官が証言する意向を示しました。議会上院で行われる弾劾裁判で、野党民主党は4人の政権関係者を証人として招く意向です。その1人、疑惑について重要な情報を持っていると言われる、ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が6日、声明を発表。「召喚状が出された場合、証言に応じる」と しました。
報道によりますと、ボルトン氏はこの声明を出すことをホワイトハウスには事前に伝えず、共和党の上院トップ、マコネル院内総務に伝えたということです。民主党のトップ、 シューマー上院院内総務は、与党側がボルトン氏に圧力をかけることを警戒し「共和党が証人4人の召喚を阻止すれば、それは明らかな隠ぺい行為に当たる」と共和党をけん制しました。
民主党のペロシ下院議長は、先月決議された弾劾条項を上院に送らず留保しています。上院に送れば、共和党がトランプ大統領に有利になるよう、証人の召喚を認めないまま裁判に持ち込むことが予想され、これを阻止するため共和党の譲歩を引き出すことがペロシ氏の狙いですが、今回、ボルトン氏本人が証言に同意したことを受け、ペロシ氏は、証人の召喚を認めるよう共和党に改めて迫りました。
これに対し、共和党の重鎮でトランプ氏に近いとされるリンジー・グラハム上院議員は、「今週中に弾劾条項が提出されなければ上院が独自に動く」と、弾劾のルールを変えて独断で裁判を推し進める可能性も示唆しつつ、民主党に条項の速やかな提出を求めました。