テキサス州の10歳の女の子が、水の中のアメーバに感染することで起きる、ごくまれな脳炎にかかり、死亡しました。今週、入院先の病院で死亡した、リリー・アバンちゃん。死因は、アメーバを原因とする感染症「原発性アメーバ性髄膜脳炎」とされています。
リリーちゃんは今月、自宅近くの川で遊んだ数日後に発熱と頭痛を訴え、症状が急激に悪化したため、病院で昏睡状態にさせる集中治療を受けていました。地元の人たちは一丸となってリリーちゃんの回復を祈りましたが、リリーちゃんは発症から1週間後に死亡しました。
リリーちゃんが感染したのは、「フォーラーネグレリア」という病原性アメーバで、鼻から体に入って脳を蝕むことから、「ブレイン・イーティング・アメーバ」とも言われています。感染者数は、アメリカでは1962年以降のおよそ60年間に145人とまれですが、このうち生存した人はわずか4人と、感染者の97%が死に至ります。
専門家は、人が感染するケースはまれなものの、このアメーバ自体は、川などに一般的にいるものだと指摘します。専門家によりますと、アメーバは比較的温かい水を好むということで、川や湖など消毒されていない環境での水遊びは、水温の高い時期を避けること。また、水遊びのときは必ずノーズクリップを使うことが勧められています。