マサチューセッツ州にある、人気飲食チェーン店の店舗で有毒ガスが発生し、客や従業員10人以上が搬送される事故がありました。清掃用洗剤の化学反応が原因とみられています。
事故があったのは、ボストン郊外のバーリントンにある「バッファロー・ワイルド・ウイングス」の店舗で、7日午後6時頃、店の厨房で有毒ガスが発生したと通報がありました。
店では当時、夕食どきに備えて店員が店内を清掃していたところ、突然の刺激臭に襲われて体調の異変を訴えました。その後、店舗マネージャーが代わって匂いの元を消そうと対応に当たったということです。当時現場に居合わせた客は、「最初は、皿洗い用洗剤の匂いかと思ったけれど、だんだん匂いが強くなった」「店員がすぐにドアを開けて必死で換気につとめようとしていた」と語っています。マネージャーは有毒ガスを過剰に吸ったことで、搬送先の病院で死亡しました。このほか、客や店員、13人が病院に運ばれましたが、命に別条はないということです。
消防によりますと、清掃していた店員は、床に漂白剤を撒き、その上に酸性タイプの洗剤を混ぜていたということです。漂白剤に使われる成分、次亜塩素酸ナトリウムは、酸性物質と混ぜると、有毒な塩素ガスが発生することで知られています。事故があった店舗は、現在、安全が確認されたとして、営業を再開しています。バッファロー・ワイルド・ウイングス本社は声明で、「今回の悲劇的な事故に、驚きと哀悼の意を表する」としています。