ロサンゼルスへの緊急着陸を試みた旅客機が捨てた燃料が、地元の小学校に降り注ぎ、児童を含むおよそ60人が体の異常を訴えました。14日、ロサンゼルス発上海行きのデルタ航空89便が、離陸から間も無くエンジントラブルに見舞われ、空港に引き返しました。この際、旅客機は必要な措置として海上で燃料の投棄を行いましたが、地上に入っても高度を下げながら燃料投機を続け、着陸前に地元の小学校の上を通過したということです。
燃料は学校の校庭などに降り注ぎ、児童を含む少なくとも60人の地元住民が、目や皮膚のかゆみなどを訴えました。住民らは駆けつけた消防隊員の手当てを受けていずれも軽傷だということです。
FAA・連邦航空局は、緊急着陸時に機体の重量を減らすため、燃料の投棄を必要な措置と定めていますが、海上か人の住まない地域で行うことが前提で、やむを得ず人の住む地域で投棄する場合は、燃料が地上に到達する前に上空で蒸発する高度5000フィート以上で行うことを推奨しています。
今回デルタ機が小学校の上空を通過したときの高度は2300フィートと、FAAが推奨する地上からの距離の半分以下だったということで、FAAはデルタ航空側の対応が適切だったか、詳しく調べることにしています。