今週、日本のさいたまスーパーアリーナで、NBA・アメリカプロバスケットボールリーグのプレシーズンゲームが行われました。今週後半から来週にかけては中国でも試合が予定されていますが、そうした中、NBAのチーム「ヒューストン・ロケッツ」の幹部が、激化する中国と香港の対立について、「香港を支持する」とツイートし、国際問題に発展しています。
問題のツイートをしたのは、ヒューストン・ロケッツのダリル・モリーゼネラルマネージャー(GM)です。モリー氏のツイートは、香港への支持に加え「自由のために戦え」と、激しさを増す中国への抗議デモをさらに煽る内容で、中国の市民などから批判が殺到し、中国政府が謝罪を求める事態に発展していました。
NBAは当初ツイートについて「中国本土のファンを不快にさせたことは遺憾だ」と、歩み寄る姿勢を見せていました。試合観戦のため日本入りしていたNBAの総責任者、アダム・シルバーコミッショナーも8日、試合会場で行われた会見で、「ツイートの内容が中国にとって、政治がらみの敏感な問題だったことは理解している」と語り、中国との関係を修復したい考えを示しました。しかしその一方で、「表現の自由を尊重することはリーグ伝統でもある。批判を受けることは覚悟の上で、我々はリーグ関係者の権利を守る」として、謝罪はしない考えを強調しました。
CCTV・中国国営中央テレビはこの会見のあと、中国で開催予定のNBAのプレシーズンゲーム2試合について、中継を取りやめると発表しました。CCTVは声明で、「シルバー氏の発言に強い不満を感じている。国の主権や治安を脅かすような発言は、表現の自由が守られるべき範囲を超えている」と訴えています。