ニューヨーク市ではきのう、新型コロナウイルスによる死者数が13日までに3778人増え、市内の死亡者は1万人を超えました。これは新型コロナウイルスの検査を受けないまま自宅や老人ホームなどで亡くなった人で、今後は感染していたと想定される人についても人数に加えるということです。
新型コロナウィルスによる感染者が拡大する中、今、老人ホームでの死者数が急増しています。全米で最も死者数の多いニューヨーク州では、全体の25パーセントをしめ、マサチューセッツ州では45パーセントにのぼっています。また、ペンシルベニア州のフィラデルフィアでは50パーセントにまで達しています。老人ホームでは人手不足で十分な検査ができないという問題も浮上していて、高齢者を老人ホームから避難させる動きも見られています。
一方、多くの州が屋内退避令を出すなど、感染拡大防止に努める中、サウスダコタ州では未だ行動制限が設けられておらず、大手豚肉加工場では、感染者の集団、クラスターが発生しました。これまでにおよそ450人の従業員が感染し、現在は閉鎖に追い込まれています。しかし、こうした状況になっても州は屋内退避では効果は期待できないとして、行動制限を拒否する方針をとっており、批判が高まっています。
こうした中、トランプ大統領は全米の経済活動を5月1日に再開するという目標を立てています。しかし国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は時期尚早で「やや楽観的すぎる」とコメントしています。また、各州の知事は州ごとに具体的な行動制限を発令していることから、西海岸と東海岸では、近隣の知事同士が連携をとって再開の時期を検討しています。