成人の4割が、健康医学的に「肥満」とされるアメリカ。肥満が関連する病気による死者数の増加も懸念される中、この「肥満」を議題にした議会公聴会が開かれました。
公聴会は、上院議員で構成する健康・教育・労働などに関する委員会が開き、24日火曜日減量薬などを生産販売する製薬会社「ノボ・ノルディスク」のCEOが出席しました。委員会を主導する民主党のバーニー・サンダース上院議員が、減量薬の価格設定について疑問を呈しました。
バーニー・サンダース上院議員(バーモント州・民主党)
「この製薬会社は画期的な薬を開発している。もしこの薬の価格がもっと安ければ、毎年何万人もの肥満に関わって亡くなる人々を救え、患者らに質の高い生活を送れていた」
CDC・疾病対策センターの発表したデータでは、直近の肥満率は、40.3パーセント。5年前の数字からはわずかに減少していますが、10年前の37パーセントよりまだ高い数字です。そして、肥満成人の半数以上が高血圧、約4分の1が糖尿病です。「ノボ・ノルディスク」の開発した2つの薬、「オゼンピック」と「ウェゴービー」という処方薬は、減量と糖尿病の治療に効果がありますが、諸外国に比べ価格が高く、アメリカの保険会社の大半ではカバーされません。サンダース議員らは、アメリカで、この2つの薬は、諸外国での販売価格の15倍に相当すると訴えています。ノボ・ノルディスクは「これらの医薬品の研究と製造に莫大な投資を行っており、この薬の保険適用を受けているアメリカの患者の8割以上が、一回の処方につき25ドル以下を支払いで済んでいる」と主張しています。
バーニー・サンダース上院議員(バーモント州・民主党)
「要求しているのは薬品のコストを大幅に下げて他国の10~15倍の料金を請求しないことだけです」
ノボ・ノルディスクは最近、これらの医薬品の生産能力を高めるため300億ドルを投じ、去年は将来の治療法の研究開発に40億ドルを費やしています。日本と比べてもアメリカとの薬や医療費の値段の差は目を疑うレベルです。少しでも改善されることを願います。