政府の予算案が通過されないことによる国土安全保障省の閉鎖が始まってからおよそ1カ月。春休みの旅行シーズンで空港利用者が増える中、人員不足の影響で、空港ではセキュリティチェックに長蛇の列ができています。そうした中、国土安全保障省のノーム長官が解任されました。
9日月曜日、テキサス州ヒューストンのウィリアム・P・ホビー空港では、セキュリテチェック待ちの人々が、空港の外にまで並ぶ事態となりました。空港は、平日にも関わらず、余裕をもって、離陸の3~4時間前に来るよう、SNSで呼びかけました。
旅行客
「3~5時間も並ぶなんて同情します
春休みなのもありますよね
旅行計画にも影響するし
子供も一緒なら本当に大変でしょう」
旅行客
「政府閉鎖で無給で働くのは気の毒です
いつもと違う空港の状況に驚きました
早めに来てよかったです」
政府予算案の一部が合意に至らなかったことを受け、先月14日、国土安全保障省が閉鎖されました。空港でセキュリティーチェックを担うTSA運輸保安局も国土安全保障省に属しており、今週末の給料日には、職員が給料を受け取れない状況となります。給与が支払われ無い期間が長引くと、生活費を補うために仕事を休み、副業で収入を得る職員が増える可能性が高まります。そうした影響で一部の空港では、すでにに人員不足が生じています。
米国トラベル協会 会長兼CEO
ジェフ・フリーマン氏
「職員は毎日200万人の搭乗者を検査し
航空システムを危険から守っています
出勤し職務を果たしているのに
給料が支払われないなんて
不公平なだけでなく無謀です」
ことの発端は予算失効で閉鎖中の国土安全保障省の傘下にあるICE移民・税関捜査局です。今年1月、ICEによる移民摘発が行われていたミネソタ州で、アメリカ市民2人が連邦捜査官に銃で撃たれて死亡した事件を受け、民主党議員らは、移民取り締まりに新たな制限が設けられるまで予算に合意しない姿勢を示しています。
そうした中、先週5日木曜日、トランプ政権で移民政策の顔となり、移民摘発を推進してきた、クリスティー・ノーム国土安全保障長官が解任されました。解任は、ノーム前長官の議会公聴会の数日後、トランプ大統領により発表されました。公聴会では、強引な移民摘発への批判に加え、2億2000万ドルを費やした国土安全保障省の広告キャンペーンについて厳しく追及されました。
共和党 ジョン・ケネディ議員
「大統領はあなたを全面に押し出したテレビ広告に
2億2000万ドルを費やすことを事前に認めたのですか?」
国土安全保障省クリスティー・ノーム元長官
「はい 正しい法的手続きを経て進めました」
共和党 ジョン・ケネディ議員
「大統領は知っていたんですね?」
国土安全保障省クリスティー・ノーム元長官
「そうです」
共和党 ジョン・ケネディ議員
「確かですね?」
国土安全保障省クリスティー・ノーム元長官
「そうです
広告はとても効果がありました」
共和党 ジョン・ケネディ議員
「あなたの知名度を上げるには効果的でしたね
私個人の意見としては大統領を
非常に厄介な立場に追い込んでいますね」
ノーム前長官が馬に乗る姿が印象的な広告に使われた2億2000万ドルという金額は、今年アカデミー賞にノミネートされている映画の予算をはるかに上回っています。ノーム前長官は、トランプ大統領の承認を得たと証言しましたが、トランプ大統領はこれを否定しています。政府当局者は、広告問題に加え、移民政策などでのリーダーシップの欠如が解任につながったと語っています。
第2次トランプ政権での閣僚更迭は今回が初めてです。トランプ大統領は、解任後、ノーム前長官を「アメリカ大陸の盾」と名付けられた西半球の新たな安全保障を担う特使に任命しました。