自分の命が残りわずかと知ったとき、家族を守り続けるにはどうしたらいいか。こんな状況に直面したシングルマザーに、子供の学校の先生から思わぬ救いの手が差し伸べられました。
シングルマザーのジーン・マニングさんと、息子のジェイクくん。ダウン症のジェイクくんを女手ひとつで育てる傍ら、ジーンさんは、乳がんとの闘いを続けていました。ジーンさんの治療のためフロリダ州からマサチューセッツ州に越して来た4年前、マニング親子は、ジェイクくんが新しく通い始めた学校で教師をしていた、ケリー・ブレマーさんと出会いました。ブレマーさんはそのときの状況を、「ジェイクとはすぐに仲良くなったけれど、ジーンの病状が日に日に悪化していくのを感じて、『今後どうするつもりなんだろう』と、とても心配だった」と語りました。
ブレマーさんはそれから、家族ぐるみでマニング親子と週末やお祝い事を共に楽しんで交流を重ねるようになりました。そしてある時ブレマーさんは、闘病を続けるジーンさんに、こんな約束を告げました −「最悪の場合、私たちは喜んでジェイクを家族に迎えるわよ」。するとジーンさんは、「もう長いこと安心して眠れる日なんてなかった。でも今夜は久しぶりによく眠れそうよ」と答えたと言います。
ジェイクくんが学校で、ジーンさんが亡くなったと知らせを受けたのは、今月半ばのことでした。「ママは天国に行ったんだ。ママは僕のことが大好きだった」と話すジェイクくん。隣で見守るブレマーさんの夫のデイブさんが、「君もママが好きだろ?」と聞くと、ジェイクくんは頷き、デイブさんにハグしていました。ジェイクくんはこれからもジーンさんの思い出を分かち合いながら、ブレマー家の一員として暮らしていくということです。