マサチューセッツ州の検察当局は、テキストメッセージで交際相手に自殺を強要し、死に追いやったとして、ボストン大学に通っていた元女子学生を起訴しました。
起訴されたのは、韓国からボストン大学に留学していたインヨン・ユー被告、21歳です。ユー被告は今年5月、同じ大学の4年生で交際相手だったアレクサンダー・アトゥーラさん、22歳を自殺に追いやったとして、過失致死罪に当たる第2級故殺罪に問われています。事件を担当するマサチューセッツ州サフォーク郡のレイチェル・ローリンス検事は「ユー被告はアトゥーラさんの精神を完全に支配し、強要と脅迫を繰り返した。肉体、言葉、精神とあらゆる面でアトゥーラさんを虐げ、1年半に及んだ交際期間中それをずっと続けた」と述べました。
検察によりますと、アトゥーラさんが亡くなる前の2ヵ月間、ユー被告は、4万7000通、1日あたり700通を超えるテキストメッセージを送っていました。その多くが「自殺しろ」「死ね」などと強い言葉で自殺を強要する内容だったということです。アトゥーラさんが自殺したのは、自身も出席するはずだった卒業式当日の朝で、アトゥーラさんが近所の駐車場の屋上から飛び降りた時には、ユー被告も現場にいたとみられています。
テキストメッセージによる自殺教唆では、2017年、事件当時高校生だったミシェル・カーター被告が、交際相手を練炭自殺に追い込んだ罪で有罪となり、15ヵ月の実刑判決を言い渡されています。この裁判は、デジタル化が加速する中、オンライン上の脅迫行為の罪の重さを問う初の事例として当時、注目されました。当時のカーター被告のケースと今回のユー被告のケースを比較し、ローリンス検事は、共通点はあるものの、今回は被告が身体的にも被害者を支配していた点でより悪質だとして、有罪になればより重い刑が科される可能性を示唆しています。