インスタグラムなどを運営するIT大手メタ・プラットフォームズが今週、利用者の安全よりも利益を優先したとして2つの州の別の裁判で相次いで敗訴しました。
ニューメキシコ州の州裁判所の陪審団は24日火曜日、インスタグラムやフェイスブックなどを運営するメタが、SNS上で子供を狙う性犯罪者などがいることを知りながら警告を怠り、子供の精神的健康を故意に害したことを認める評決を下しました。
これは、ニューメキシコ州の司法長官が、州の消費者保護法に違反し安全性よりも利益を優先したとしてメタを訴えていたものです。州側は、メタのアルゴリズムが10代の若者に扇情的で有害なコンテンツを推奨していたと主張。また、13歳以上という利用者の年齢制限をじゅん守していなかったとしています。
これに対しメタは、10代の利用者を保護するための対策を講じ、有害なコンテンツは排除していると主張。一方で、有害な投稿の中には監視の目をくぐり抜けるものもあることを認め、幼い子供たちのデータ収集に関する政府の規制が年齢制限のじゅん守を阻んでいるとしました。
地元の教師や精神科医、捜査関係者やメタを退職した内部告発者などによる証言が6週間にわたって行われたこの裁判。陪審団は、メタが虚偽や誤解を招く声明を出したという州側の主張や、児童のぜいじゃく性や経験不足につけ込む不当な商慣習があったという点についても認め、数多くの違反があったとしてメタに3億7500万ドルの支払いを命じました。
陪審員
「企業が故意にしたとは思いませんが 現状を把握し深刻さも理解しています。ですからこれまで以上に最善を尽くし、問題を解決する必要があるのです」
また翌25日水曜日にもカルフォルニア州で行われていた裁判でSNSを運営する企業側の責任を認める評決が下されました。原告の20歳の女性は、幼少期からSNSを利用したことで依存症になり、うつ病などを発症したとしてメタやグーグル傘下のユーチューブを訴えていました。
ロサンゼルス地裁の陪審団はSNSプラットフォームの設計や運営において企業側に過失があったと判断。原告に損害を与える重大な要因になったことを認め、両社に合わせて600万ドルの損害賠償の支払いを命じました。原告はTikTokとスナップも訴えていましたが、裁判の開始前に和解が成立したということです。
これらの裁判は、SNSプラットフォームが子供に与える影響をめぐる一連の訴訟の中で最初に法廷に持ち込まれたケースとして注目され、ロサンゼルスの裁判所前にはSNSが要因となり命を落とした子供の写真を掲げる親などが集まって企業の責任を認める評決を歓迎しました。
SNSによって息子を亡くした母親
「これらは企業が最初からわかっていたSNSの設計が原因でもうこの世にいない子供たちの名前です この問題はあまりにも重大であり、最初の犠牲者が最後の一人であるべきだったのです」
メタは「10代の若者をオンライン上で保護してきた実績に自信を持っている」との声明を出し、評決を不服として控訴する意向で、ユーチューブも控訴する方針だとしています。