ユタ州で、亡くなった父親が幼い息子を見守るという内容の児童書を自費出版していた3人の子供の母親が、実は夫を毒殺していたとして殺人の罪で有罪評決です。
その残虐性からより罪の重い加重殺人で起訴されたのは、コーリ・リッチンズ被告35歳です。夫婦と子供3人、一見幸せそうな家族に事件が起きました。
2022年3月、ユタ州のパークシティー郊外にある自宅で、リッチンズ被告の夫・エリックさんがベッドの上で冷たくなっていると通報がありました。これは、警察が公開した事件当時のボディカメラ映像です。
警察官
「何があったんですか?」
リッチンズ被告
「仕事のお祝いで一緒に
お酒を飲んでから寝ました
私は子供を寝かしつけて
夫は寝室のベッドで寝ていました」
通報したのは被告自身です。警察官の質問に対し、午後9時ごろに子供の部屋で寝てしまい、午前3時ごろに目が覚めて夫婦の寝室に向かい、夫の変異気にづいたと話しました。
警察官
「すぐに通報しましたか?」
リッチンス被告
「夫の体が冷たくなっていることに
気づいて何かおかしいと思いました
呼吸も感じられませんでした」
検視の結果、エリックさんの遺体からは致死量の5倍にあたるフェンタニルが検出され、死因は薬物の過剰摂取でした。合成薬物フェンタニルは鎮痛剤の一種で致死量はわずか2㎎です。検視では、フェンタニルは口から摂取されたこと、
違法薬物であったことが明らかになりました。
検察によると、2022年1月、事件のおよそ2カ月前、被告は家政婦にフェンタニルを入手するよう依頼していました。家政婦は知人を通じてフェンタニルを購入し、事件のおよそ1カ月前、被告はフェンタニルを入手しました。
被告の弁護士
「エリックさん亡くなる数週間前
夫婦関係は良かったと彼の親友が証言します
4年間の捜査と数週間の裁判で
フェンタニルがどう摂取されたのか
聞くことはないでしょう
なぜなら証拠がないからです」
検察は、被告がエリックさんが飲んだカクテルに薬物を混入させたとしています。また、バレンタインデーには薬物を混入させたサンドイッチでエリックさん殺害を試みたとしています。
サミット郡 検察長
「リッチンス被告は金を手に入れ
人生を再出発するためにエリックさんを殺害しました
自分が特権階級の裕福な成功者であるという
体裁を維持するために夫の金が必要だったのです」
検察によると被告は不動産の転売を専門とする不動産業を営んでおり、物件を購入するために複数の貸し手から資金を借り入れ、合わせて450万ドル以上の借金をかかえていました。被告はエリックさんに無断で複数の生命保険をかけ、保険金の総額は200万ドルに上っていました。
また、400万ドル以上の遺産を相続できると思い込んでいたということです。事件当時、被告には不倫相手がおり、将来を共にしようと計画していました。被告が所持していたスマートフォンの履歴からは、「生命保険の支払い」や「フェンタニルの致死量」などについて検索していたことが確認されました。
被告は2023年5月に逮捕される数カ月前、亡くなった父親が幼い息子を見守るという内容の児童書を自費出版し、話題となり地元メディアにも出演していました。
裁判官
「陪審員団は加重殺人罪について
全員一致で被告を有罪としました」
16日月曜日、リッチンズ被告は加重殺人に加え、加重殺人未遂、保険金詐欺などで有罪となりました。加重殺人では、懲役25年から終身刑の実刑となります。
エリックさんの妹
「何年もかかったショックから
まだ抜け出せません
でも兄のために正義が下されて
うれしく思います」