バイデン大統領が一般教書演説を行い、経済政策の成果を強調するとともに、下院の多数派をにぎる共和党に協力を呼びかけました。しかし、演説中にやじが飛ぶなど前途多難な様相も見せています。
7日火曜日、就任後2度目の一般教書演説を行ったバイデン大統領は、次の大統領選のスローガンとも受け取れる言葉「仕事は最後までやる」を連呼しました。そして、低い失業率など経済政策の成果を強調し「まだ仕事は終わっていないが、失業率は3.4%で50年ぶりの低さだ。」と語りました。
また、議会が超党派で通した銃規制強化法、子供のためのメンタルヘルス法、全米の道路や橋などインフラへの投資を称賛しました。そうした中、一部の共和党議員がやじを入れる場面も見られました。この事態に共和党マッカーシー下院議長が、静まるよう指示する様子が見られました。鎮痛剤に使われる合成オピオイド、フェンタニルによる死亡被害について触れると「おまえのせいだ!」とやじが飛びました。
また、一部の共和党議員が、年金や生活保護などのソーシャルセキュリティや高齢者などを対象にした公的医療保険・メディケアを衰退させようとしていると発言したことに触れました。バイデン大統領が「一部の共和党議員はソーシャル・セキュリティーとメディケアを衰退させようとしている。」と語るとブーイングが起こり、バイデン大統領は「信じない人は私の事務所に連絡をくれ、その法案のコピーをあげるよ。」と呼びかけました。さらにブーイングが起こり、共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は「嘘つき!」と叫びました。ここでバイデン大統領は、演説原稿からはずれて共和党議員らに切り返し「みんな合意しているようだ。では、ソーシャルセキュリティーもメディケアも予算から外さないということだね。よかった、満場一致だ。」と語りました。民主党議員だけでなく、共和党議員も拍手し、社会保障などについて協力していく姿勢を見せました。
最後はアメリカの強さを誇示する内容で「この国の魂は強い、この国の屋台骨は強い、この国の人々は強い、すなわち国家の現状は強い。」と締めくくりました。