アメリカでは、ガソリン代の高騰が続く中、バイデン大統領がロシア産エネルギーの輸入を全面的に禁止すると発表。他の産油国への接触を試みています。
10日木曜日、アメリカでのレギュラーガソリンの平均価格は、1ガロン4ドル33セントとなり、一週間で63セント値上がりしました。カリフォルニア州では、平均価格が1ガロン5ドル67セントとなり、7ドル近くに値上がりしている場所もあります。ガソリンスタンドの利用客は「少しでも安いガソリンスタンドを探して利用しています。ここは5.59ドルですが、他は6.50~7ドルでした。」と語りました。1カ月前と比べ、アメリカ市民は2億5000万ドル多く、ガソリン代に費やしています。
ガソリン代の高騰が続く中、8日火曜日、バイデン大統領はウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアへの経済制裁として、ロシア産の原油や天然ガスなどエネルギーの輸入を全面的に禁止すると発表しました。去年アメリカで消費された石油のうち、ロシア産は3%ですが、バイデン大統領は、さらなるガソリン代の値上がりを警告し、「自由を守るためには代価が伴います」と語りました。アメリカ国内での原油生産を増加させるべきだという批判もでています。バイデン大統領は石油会社に対し、この機に乗じた不当な値上げは容認できないと述べました。「ロシアの侵攻がアメリカ市民に影響を及ぼしています。不当な値上げや便乗値上げは容認しないと明言します。」
そうした中、ロシアに代わるエネルギーの調達先として、南米ベネズエラからの原油の輸入再開について、協議が進められています。アメリカは2019年、ベネズエラのマドゥロ政権に対し、人権侵害を理由に経済制裁を科し、ベネズエラ産原油の輸入を事実上禁止していました。一方、8日火曜日、ベネズエラ政府は拘束していたアメリカ人2人を釈放しました。交渉を進めるためだと見られていますが、ホワイトハウスは、原油に関する交渉とは関係ないと主張しています。
10日木曜日、2月の消費者物価指数が発表され、前年の同じ時期と比べて7.9%上昇しました。40年ぶりの高水準となります。 ガソリンは38%の上昇となりましたが、2月の終わりにロシアのウクライナ侵攻が始まり、価格が上がり始めたので、その影響を受け、3月以降さらに上昇すると専門家は見てます。