新型コロナウイルスのニュースです。アメリカでは、感染力が高いと言われるオミクロン株の変異種BA2の感染拡大が懸念されています。
全米の新規感染者数のうち、オミクロン株の変異種BA2が35%を占める中、イギリスに続いてアメリカでも感染の再拡大を心配する声が高まっています。国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は「アメリカはイギリスより3週間ほど遅れていて、感染拡大するならば今後1週間ほどでしょう。」と語りました。ファウチ所長は、病院が再びひっ迫することはないだろうとしていますが、減少していた全米の新規感染者数と入院患者数は下げ止まりの状態です。
また、感染流行の前兆が分かる下水調査では、先週、全米122カ所で陽性サンプルが 少なくとも100%増加していたということです。さらに、自宅でできる検査キットを使う人が増え、感染状況の実態が正確に見えていない可能性が指摘されています。ボストン小児病院のジョン・ブラウンスティン医師は「データが不十分で状況が分からず、準備不足の中で感染が拡大したら、防げるはずの重症者や死亡者を出すことになります。」と語りました。
こうした事態の中、アメリカ議会下院で新型コロナウイルス対策の予算決議案が暗礁に乗り上げ予算が底をついたことから、保険未加入の人については、政府が負担していた検査と治療が23日水曜日から有料となります。また、無料でのワクチン接種は、4月5日までとなります。ちなみに検査の平均的な価格は1回127ドルだということです。政府は自宅検査キットを追加で無料配布しています。すでに一度受け取った人も、政府ウェブサイトから再度申し込みができます。