アメリカのインフレに歯止めがかからない中、今後も連邦準備理事会の積極的な利上げが見込まれ、住宅ローンを低金利で固定したい需要が高まり、全米の不動産ブームに拍車がかかっています。今年1月には中古物件価格が去年と同じ時期に比べて、15.4%高騰しその勢いは衰えを見せていません。加熱するテキサス州ダラスの不動産事情をABCニュースが取材しました。
テキサス州ダラス地区を担当する不動産業者らは「とんでもない状況になっています。」「完全に狂ってる。」と語りました。ある不動産会社の調査で、ダラス郡では去年の同じ時期と比べて、売り物件が53%減っていることが明らかになりました。ダラス地区では1つの物件に50人近くが飛びつくことも珍しくなく、言い値を上回る金額を提示しても連絡すら取れないこともあるといいます。不動産業者コートニー・ミハレックさんは「言い値に5万ドル上乗せしても繰り返し連絡しないと確認もとれません。」と語りました。ダラス近郊でも高騰していて、不動産業者トッド・トラモンテさんは「テキサス州フリスコで40万ドル以下の物件は1件だけです。」と語りました。過熱ぶりをあらわすこんな出来事もありました。不動産業者トッド・トラモンテさんは「すでに契約済みの物件を買いたいと、購入者に5万ドルで契約を破棄するよう交渉してきた人がいます。」と語りました。
専門家は、現金一括払いなら落札できる可能性が高まるといいます。不動産市場の過熱を受けて、現金一括払いの購入者も全米で増加していて、去年1月には全体の19%だったのに対し、今年は27%に達しているということです。専門家は利上げによるローンの金利上昇に伴い、不動産価格高騰の勢いは徐々に弱まるとしながらも、今年も3~7%値上がりすると予想していて、しばらくは売り手市場が続くとみられています。