高値が続くガソリン価格に各州が対策を講じています。一方で、ガソリンの窃盗事件が相次いでいます。
アメリカでのレギュラーガソリンの平均価格は4ドル23セント(3/31)で、依然として高い水準が続いています。専門家は、さらなる値上がりを予想しています。ガスバディ―の 石油アナリストは「ガソリンが夏用になり、さらに値上がりし、コロナが収束に向かい、需要が高まるでしょう。」と語りました。
そうした中、ガソリン価格の高騰を抑えるため、各州が対策に乗り出しました。コネチカット州では、ガソリン税を1日金曜日から6月末まで免除、メリーランド州では30日間、ジョージア州では5月末まで免除すると発表しました。コネチカット州の自動車修理店の経営者は「25セントでも値下がりしたら助かります。」と語りました。ガソリンの平均価格が5ドル90セント(3/31)となっているカリフォルニア州では、ニューサム知事が自動車1台につき400ドルの給付金還付金を支給するよう提案しています。
一方、ガソリン価格の高騰から、ガソリンの窃盗事件が後を絶ちません。イリノイ州シカゴにある自動車販売店の防犯カメラ映像には、バケツを手にした男が映っていました。男は車の燃料タンクからガソリンを抜き取ったとみられ、ガソリンが漏れた跡が残されています。自動車販売店の経営者は「ガソリンは高くても数十ドルですが、車を修理するには数千ドルかかります。」と語りました。オレゴン州では、トラックレンタル業のUホールで、トラックの燃料タンクに穴をあけられる被害がありました。Uホールの支店長は「2~3回被害にあいました。全てのトラックがやられました。」と語りました。一般の人の車にも同様の被害がでています。ガソリン窃盗の被害者は「燃料タンクに穴を開ける行為はとても危険です。運転中にガソリンが漏れて爆発し、大けがや死亡する可能性があります。」と語りました。
そうした中、31日木曜日、バイデン大統領はガソリン価格を抑えるため、再び、石油備蓄を放出すると発表しました。1日当たり100万バレルの放出を半年間続けるとしていて、過去最大規模の放出となります。